京都市上京区に位置する寝床。家賃が共益費込で六万円と少しの邸宅。
あと一箇月でとうとう引っ越しか。堀川通ともおさらばか。
スーパーも銭湯もラーメン屋も飲み屋も夜景もぜんぶ堀川通にあったなあ。みんなと歩いたな。


卒業する事が出来れば舞台は新宿へ。遠距離恋愛をしていた頃に足繁く通った街。
思い返せば俺の中の新宿はいつも未明だった。そしていつも真夜中だった。赤みがかった夜行バスはいつも窮屈だった。
太陽の照らす新宿でネクタイをきつく巻いて背広を羽織って喋りなれない言葉を発せるだろうか。頭一つ小さいお前とまた出会えるだろうか。


朝から何も口にしていない。パンを焼こう。